柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

千秋楽レポ

2週間走り抜けた「金閣寺」千秋楽。
桜が咲いていたのがすっかり新緑です。

(…ので、今日はネタバレ気にせず書きます)
あ、さすがに今日はお花撤去されてましたが、お花リストなるものが
あったそうです。(現地で合流したPiyoさんに写真いただきました)
プライベートな交流かなと思うものと、芸能人ではない個人名が載っていたところは
つぶしてますが、その下にありました~。よかったよかった!

今回は結局4回観たのですが、1回~3回では柳楽くん演じる溝口に明確な違いは
ありませんでした。もちろん、2回目3回目の方が深みがあるなとは思ったのですが
それは私が食い入るように観ているから、そう思うレベルだったと思います。

ですが、本日の千秋楽。
出だしからすべて明らかに今までとは違っていました。
今まで以上に感情が剥き出しででていて。
あぁ、この人は多分今日溝口を全部取り込んで昇華させるつもりだ…と
なんとなく思いました。

悲しみはより深い悲しみに。
一方で人に懐くところはさらに懐き。
金閣寺をきれいと言う時は心底に笑顔になり、
金閣寺を燃やせばいいんや!と言う時は全身全霊で叫び。

観客をこれまで以上に三島作品の世界に引きずり込んでいたと思います。
1幕のクライマックス、そして2幕つまりは作品のクライマックスともに
今までで一番鳥肌立ちました。

金閣寺放火決行の日。
睡眠薬、タバコ、マッチ、小刀…と出して、小刀をなめる辺りから
溝口が小さく震えてました。
目に涙をためながら「こんな幸せな時間があったんや…!」

もうこのシーンの時は一瞬、柳楽くんが溝口から戻ってこれなくなるのではと
思ったぐらいに、溝口そのものになっていました。
多分ここから数分間は憑依状態になっていたのではという気がします。
それぐらい圧巻でした。

そしてラスト。
燃える金閣寺を観ながらタバコを吸う時も、憑き物が落ちたような顔をしながら、
強い目をしながら、最高の「生…きよ」を聞かせてくれました。

初日からこんな風に進化をするなんて、舞台ってやっぱりすごいな…と
改めて思いますし、何より、柳楽くん自身が「舞台で進化させること」を
会得したような気がします。
このたった2週間で雨後の竹の子のように成長を見せてくれた柳楽くんに
私は次の未来を観てしまうのです。


カーテンコールはTwitterで6回と書いてしまいましたが、5回かもです(汗)。
とりあえず4回目のカーテンコールでスタンディングオベーションになり、
左側(観客席からすると右側)にいる水橋さんに「(おそらく)挨拶いいなよ」的なことを
こしょっと言われ、でも間としてはもうひっこむ感じになりw、
5回目にもう一度水橋さんになんか「(これまたおそらく)今いいなよ」的なことを
こしょっと言われ、柳楽くんが「(これも想像)今ですか」みたいなことを言い、
そのやりとりをしている間に両端の人たちが捌けはじめてしまったのですが、
そのタイミングで
「本日は本当にありがとうございました!」
と強い声でご挨拶w
両端の人が慌てて戻るという、最後の最後に柳楽くんパワー炸裂させてましたw
で、最後全員はけた後に柳楽くんだけ1人もう一度
「ありがとうございました!」
と言ってお辞儀をしてからはけました。
暖かくも力強い拍手で包まれた幸せな空間に、柳楽くんは半分誇らしげに、
半分恥ずかしそうに見渡して何度もお辞儀をしてくれました。
(ちょっと目も赤くなってたかなと)

ちゃんと柳楽くんに戻ってました。
おかえりー!


金閣寺は重い題材なので、観る度に重苦しくもあったのですが、
役者柳楽優弥をこれほど堪能できるものが終わってしまうと思うと
淋しさもあり、今日は複雑な気持ちで観ていました。
でも、これだけの成長を見せられたら、「ここで留まってる場合じゃない」とも
思えました。

まだまだ進化の途中。
次の作品を待ちたいと思います。

舞台に一緒に出てくれた共演者のみなさま、
舞台の後ろで支えてくれたスタッフのみなさま、
そしてキャスティングしてくれた宮本亜門さん、
本当に本当にありがとうございました。