柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

大輔くん子供に戻るの巻

※完全に大輔くん視点の感想ですのでご了承ください。

大悟に認めてもらうためにロールケーキを作り続ける希。
ですが、いくら作っても大悟は「まずい」と言って卒業を認めません。
その様子を見守るメンバーにはもちろん大輔も。

希を励ます一同に対して、大輔はとうとう大悟に対して動きます。
マシェリシュシュで一人作業をする大悟のところへ「調子悪そうだね」と顔を出す大輔。
気持ちよく辞めさせてやればいいじゃん」という大輔に対し
お前に関係ない」と不機嫌な大悟。
人生の優先順位は人それぞれでしょ。誰もがあんたみたいに仕事第一って訳じゃ
ないんだからさ
無言でお菓子を作り続ける大悟。
そんなに許せない?自分の期待に応えない人間が
無言をつらぬく大悟。反応しない大悟に落ち着かなくなる大輔。
…何言ったって無駄か。あんたにとっては、どうせ俺なんか透明人間だもんね。
優先順位が違いすぎてさ
そういって大輔が立ち去ると、菓子を作る手を止める大悟。


その後、大悟は「クビ」という形で希を手放すことにします。
そこへ輪子がきてお酒を注ぎながら
そりゃ何食べたってまずいよねぇ。大事な弟子、手放すんだから
と語りかけます。黙って聞いている大悟。
そこへ大輔が上から降りてきて二人の様子に気づき、立ち止まります。
言えばいいのに。おまえにはすっごくすっごく期待してたんだって。
可愛くて仕方ないんだって
黙ったままの大悟。上を見上げる大輔。
大悟ね、今まで希ちゃんにも…それから自分の息子にも
気持ちを素直に伝えたことある?
本当は大輔の生き方だって、認めてるんでしょ?
自分とは違うけど、あれはあれで大したもんだって、
思ってるんでしょ?
希ちゃんとはこれからもずっと一緒にやりたいって
将来この店を継いで欲しいって思ってたんでしょ?
セリフの合間合間に大悟と大輔の表情が切り取られます。

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「珍しく執着した」という希にさえ、最後まで大人だった大輔くんですが、
やっぱり、やっぱりお父さんには、
今の家族で唯一血の繋がっているお父さんには、
感情をぶつけてしまう。
大悟に向ける「~でしょ」はいつもの希ちゃんに語りかけるものとは
全然違って、そこには糾弾と寂しさがないまぜになっているトーンで。
飄々としたキャラクターを投げ捨てて詰め寄るからこそ、
彼がどれだけ家族愛が欲していたかが伝わってきて、切なくなるのです。

きっと大悟は大悟で、珍しく大輔に真っ向から本音をぶつけられて
思うところはあったでしょう。

何歳になったって、いやむしろお父さんに認められてなかったら、年を重ねるほど、
そこには強い自己承認欲求が溜まっていったに違いありません。
その裏返しとしての「どうせ」「俺なんか」「透明人間」という言葉。
存在すら認めてもらえてないってずっと思い込んでいたのですね。
そしてこの自己否定が普段人間関係に深入りしない「大輔」を作っていった…。

でも輪子さんが大悟に語りかける会話で、ようやく認めてもらえてない訳ではないと
気付けたのだと思います。

今日はもう大輔くんがずっと「子供」なんですよね。
お父さんの子供なの。お父さん僕を認めてって小さく叫ぶ子供なの。
セリフがなくても伝わる表情。
観てるこちら側は心ごと全部持ってかれてしまうんです。

そしてそれは、ここまでずっと一貫して「大人な大輔さん」を演じてきたからこそ
「子供の大輔さん」が活きるのだと思います。

ここからは私の憶測なんですけど、柳楽くんてそれを「計算して演じるタイプ」
ではないと思うんです。ただただ大輔くんに「なる」。
その結果として自然とギャップも出てくるのだと思うので、
そこがすごいなぁと思うんです。

希とのお別れ回と並ぶ「演技的神回」でした。
だからこそ。
だからこそ、これで終わりじゃなくて、もう一歩踏み込んで小日向大悟と柳楽大輔の
ガチンコ対決をもっともっと観たいし、氷解した後に二人でお酒を酌み交わすなんて
シーンも観たいのです。

あぁ、もう横浜編が終わるなんて……!
時間が足りない…!