柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

シュガー&スパイス 風味絶佳(映画館感想・柳楽くん版)

映画の感想を書こうと思ったのだけれど、言いたいことがまとまらないので、
まずは柳楽くんのみを語ろうかと。
ネタバレ全開ですので、未見の方はご注意を。

シュガー&スパイス 風味絶佳

柳楽くんの演技は本当に独特。
それは全て良くも悪くも「誰も知らない」で培われたんだろうけど。
夏木マリさんが「ドキュメンタリーのような芝居をする」って言ってたけど、
まさにそう。

芝居でああいうボソボソしゃべりって本当はいけないんだろうけど、
それによって思春期の不器用さがすごくリアルに出ていた。
声張るだけがいい芝居じゃない、と教えられたような気分。

でも一方でやっぱり15歳が17歳役をやるっていうのは結構無理があったかなと。
この年代で2歳の差は大きい。
「彼女が僕の全てになった」というセリフが、いまいち彼の演技に説得力がないので
響いてこない。
おそらく彼自身がそこまでの恋をしたことがないんじゃないかなぁ。

ただ、ラストの疾走&金網シーンは前作まででは考えられないような演技を見せてくれて
彼がまさしく「幼虫からカブトムシ」になったんだと別の意味で感動してしまった(笑)
いやもちろん、ストーリーとしても一番グッときたんだけど。

それから、今回初めて彼のコミカルな演技を見たんだけど、ウマイ!
ロッカーでの空周りレコードトークとか、コケとかセンスあるとみた。
もっとああいうキャラを前面に出したキャラクターを見たいなと思うほど。
ロッカーシーンはどれも秀逸で(パンフを見ると、雨のシーン後にガスステーションシーンを
やったようなので、それのせいかも)、ロッカーにキスしようとする顔は
全編の中で一番「恋してる男の子」の顔をしてたように思う。

あの独特のボソボソしゃべりのために棒読みに聞こえる部分は否めない。
「え?」と驚いて聞き返す表情も(かわいいけど)ワンパターンでもうちょっと
幅が欲しいなとも思う。
それでも。
それでも、それにも増して今の他の10代俳優にはない演技を見せてくれる可能性に
賭けたくなる。

彼の生涯にはきっと「カンヌ受賞」がずっとついてまわる。
それはつまり他の俳優より潰れてしまう確率を高くしている。
でも、それに潰されず私たちにその成長を見せて欲しいと思う。