柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

チェ 28歳の革命

さっそく観てきましたよー。
公開第1週の週末ということで人もそこそこ入ってました。

んーーー、一番最初に思ったのは「意外とフェアだな」ということでした。
こういう英雄ものって映画だとトコトン英雄扱いしたりするんですが、
割と一人の人としてちゃんと描いていたというか。

最初の方にカストロに「自覚がない(だったかな?)」とか注意されてるし、
変に神聖化されてなかったので安心しました。
逆を言えば映画的にはかなり地味なつくりになってると思います。

で、なんていうのかなぁ。
ゲバラの評価って「あの時代」の人で「あの環境」の中でこその評価なんだなぁと
しみじみ思いました。
だから、ファッションとして彼をリスペクトするのはちょっと違うかなと。
(あ、これは柳楽くんのこと言ってるんじゃありませんよ。未だにTシャツとかマグカップとか
売れてるみたいなのでそういうのを「なんとなくカッコイイ」で軽く買っている人たちのことです。
柳楽くんは本も買って読んでるし、それなりに知っていると思うのだけど…)

なので、彼を好きという前に世界史、特に米州(南北アメリカおよび周辺の島や海をまとめて
そういうそうです。今回のパンフレット読むまで知らなかったですが・汗)の当時の政治・経済情勢を
ちゃんとわからないと判断を下せないなーと思うのです。
で、私は世界史特に近代史はわかってないので、彼の評価もできないなぁというのが現在の心境。
ただ、この映画の最大のいいところはまさにそこで、
チェ・ゲバラを知るにはそういう予備知識がいっぱい必要だぞ、
簡単にこの男を好きとか嫌いとか言うなよ
、とこの映画は教えてくれるのです。
いやー正直、今日観た映画の内容20%ぐらいは消化しきれてないです。
特にゲバラの国連演説とインタビュー部分。
近代史わかってないと完全に置いていかれます。とほほ・・・


ただ、キューバでは革命がうまくいったからいいものの
その後の(ここが2部作の後編部分になるのですが)ボリビアでは賛同を得られなかったりしているし
「徹底した武装闘争」を掲げている時点で私の中では受け入れがたいものがあります…。
だったらよっぽどガンジーの方が真の革命家じゃんって気がするのですが。

なんで医師でありながら、革命のためとはいえ、人の命を奪う道を選んだんだろう。
そこが知りたかったなー。「モーターサイクル・ダイアリーズ」観ればわかるんだろうか…。

革命後も質素な生活していたとか、そういう自分にも厳しく
ひたすら平等を求めていったところは確かに尊敬に値しますが。

多分、特に男性ってガンジーみたいに耐えて耐えて…みたいなヒーローより
アグレッシブに闘って勝利を勝ち取るヒーローが好きなんだろうなーというのは
なんとなくわかるんで、確かにそういう意味ではゲバラはヒーローなんでしょう。
でも政情不安な国ではゲバラ尊敬=ゲリラ肯定になりそうで怖いです。
(実際、あちらではビンラディンゲバラに重ねているという話も…個人サイトさんなので
直リンクは避けますがゲバラの一生やその背景を知るには格好の文章だと思います
→ttp://homepage2.nifty.com/GAKUS/hetareron/che.html)

なので、もう1回。
ゲバラの評価は「あの時代」の人で「あの環境」の中でこその評価、だと思います。


ちなみにデル・トロですが、ハマリ役だったと思います。
カリスマ性みたいなのが上手くでていたかなと。
25kgぐらい減量したらしく、シーンによってあまりに輪郭が違うので「あれ?これがゲバラ
いいんだよね?」とどの人物追えばいいのかわからなくなる時がありましたが、
そのぐらいゲバラの一生を演じきったと思います。