柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

読了しました


苦節3か月(いや4か月かも。適当)。
ようやく、柳楽くん帯バージョンを見つけられました。


そして、読了。
以下、ネタバレ全開で書きますのでこれから読む予定がある方、
もしくは原作は読まずに映画に臨みたい方はご注意ください。
さらに言うと、「映画化前提」「柳楽くん主演前提」で読んだ感想なので
一般的な感想とはだいぶ違うということもご承知おきください…。
続きは右下へ。




まず一番に思ったのは「映画化難しそうーーー!」でした。
本全体の7割ぐらいは、回想、手記なので、これをいかに飽きることなく
伝えられるか、ということ。
さらに、心情を共有していくウェイトも高いので、これらを全部口頭やナレーションで
説明したら興ざめだし、かと言って、表情だけで語らせるには限界があるし、
どうするんだろう、ということも気になりました。
逆を言えば、映画はどういう構成になってるんだろうとそこからもう興味津々です。
そして、構成によっては、意外と柳楽くんの出番少ないのでは、と思ったり(笑)。
いや作品としておもしろければ、別に出番少なくてもいいんですけどね^^;

で、内容ですが。
私は「掏摸」のラストがしっくり来なかった派なんですね。
別にだめとか批判をするつもりはなくて、単純な好みの問題として
(ただ、よく考えたら骨組みがほぼ同じの「レオン」は大好きな映画なので
いつか再読して何が違うのか、改めてちょっと考えたいです)。

それに対してこの「最後の命」は、私にとっては割と腑に落ちるラストでした。
多分、まさに前回の記事に書いた「希望」の描き方なのかなぁとも思います。

第2部の最初のところの回想で、二人が「いつか大人になったら、今の俺らのことを
笑いながら話すんだ」と夢見る場面があります。ここを読んだ時から、私の中では
これが例え片方だけでも実現できるラストになっていたら…と願っていたので、
その希望が残されていることで、とても安堵したのです。
実際、冴木の手記でも「俺もお前も駄目になったら、何だか、世界に負けたみたいじゃないか」
という一節があるのですが、まさにそうなんです。
そして、そんな小説だったらわざわざ読みたくないんです。

少年期や青年期に色々なストレスやトラウマがあっても、
希望はある。
あるんです。

もちろん、冴木にもあった。
でも冴木は自分の意思で最後に「太いけど、短いゴール」を選んでしまったんだと思います。
ここが「自分の意思」ではないゴールだったら、やるせないけれど、
自分の意思で選んだ道なのであれば、それはそれで1つの幸せだと思うんです。
冴木の例は異質で極端かもしれないですが、例えばタバコがやめられない人も
ある意味「タバコをやめるけれど、長生きできる人生」より、「今のタバコの
おいしさで、多少人生短くなってもいい」という選択をしている訳で、
自分で選択した道であれば、それはそれで幸せじゃない?と思うんですよね。
刹那的かもしれませんが。

ただ1つ、
高校時代の事件の時に、二人でとことん話し合っていたら、その後の二人の人生は
全く違ったものになっていた(もう少し希望の多い人生になっていた)んだろうなとは
思います。

私自身、ちゃんとコミュニケーションがとれないまま逝ってしまった人がいて、
本当に本当に後悔しているので、以後わだかまりだけはそのままにしないようにしてます。

「私」と香里もわだかまりなく、人生を過ごせますように…と祈らずにいられません。



「私」が思ったより、とってもまっすぐで、柳楽くんと似てるところがあるなぁと思ったので、
スクリーンで「私」を演じる柳楽くん、楽しみにしています。