これまたいいインタビューでした!
他にないエピソードがたくさん載っています。
タイトルもいいですよね~!
今もっともヤバい俳優・柳楽優弥
(前略)
──(舞台経験は)柳楽さんは2年前の『海辺のカフカ』と、この春の舞台『金閣寺』ですね。
『金閣寺』はこの映画のあとでしたね。この上半期は凄いですよ(笑)。『金閣寺』のあとにテレビドラマ『アオイホノオ』ですからね。完全にぶち壊れようと思いましたからね。
──(略)『闇金ウシジマくんPart2』の変態ストーカー役は鬼気迫るものがあった(笑)。
鬼気迫るって言うか、気持ち悪いですよね。門脇(麦)さんのお母様が(あれを観て)門脇さんに「ストーカーには気をつけろ!」って言ったらしいです(笑)。パンフレットのライターさんを通じで聞きました、「そう言われてましたよ」って。「言われてましたよ」と言われても、嬉しいですねぇとも(笑)。ああいう人が来たら絶対怖いですよね。家まで入ってきてますからね、ストーカーなのに「助けに来たぞ」みたいな感じで。
──でも、ああいう変な役が来るっていうのは嬉しいんじゃないですか?
(俳優を始めたころは)普通って言われる青年の役が多かったので、素直に嬉しいですね。メインではありませんよ、ああいう変わった役は。脇だからこそあそこまでブッ飛べる感覚ってあるじゃないですか。今回の映画がいちばん現代にいそうな、普通に駅にいたり町を歩いていそうな、良い意味でも悪い意味でも個性があまりない役ですね。
──個性を押し隠しているというか。過去に見てしまった事件のせいで自分がうまく表現できないという。
そうですね。その鬱屈ぶりが『金閣寺』の溝口とまた似てて。鬱屈役を続けて2回、上半期鬱屈だ~って(笑)。
──主人公とは真逆のようでありながら表裏一体じみたキャラクターがいるっていうのも似てますよね。『金閣寺』には鶴川や柏木がいますし。
俺、本当に三島由紀夫さんの『金閣寺』の、あの3人のバランスっていろんな作品に影響与えてると思うんですよ。(徒弟生活の同学で)わりと明るかった鶴川が意外なことに自殺しちゃって、溝口は「なんでだよ、なんでだよ」ってなって、それは金閣寺を燃やすっていう方向に向かうわけですよね。で、『最後の命』も物語の起承転結や配役のバランスがそれと似てるところがあるかも知れません。
(略)
──あれはもう痛々しくてマトモに観ていられなかった。いや、本が心配で(笑)。あの本、ダミーじゃないんですか?
あの時だけはダミーに差し替えました(笑)。お宝レベルの本もあったらしくて。・・・美術さん(のこだわりも)凄かったですよ。当時の漫画のページを使うのでも「ムフがねーよ!」みたいな。「ムフ」のシーンがなかなか見つからなくて「どこにあるんだよむムフ!」みたいな(笑)。
(略)
──それにしても、リアルなんだけれどもあれほどカリカチュアライズされた役を、あれだけのテンションで11話演じるって相当疲れたんじゃないですか?(笑)
福田さんが「行き過ぎてるからOK」みたいなこと言ってました。「中途半端じゃねぇもん」って。すごい評判が良かったんですけど、ホントあれ(『アオイホノオ』)、良かったですか?
──ええ、良かったです! 素晴らしかった。
ありがとうございます。
──柳楽さんというと、是枝さんの『誰も知らない』でいきなり登場、いきなりカンヌ映画祭最優秀男優賞、という経歴から離れることは一生できないでしょうね。
そうですね。でも是枝監督とはまたやってみたいんですよ。
──そんな話があるんですか?
いや、まだ全然ないんですけど、なんかやりたいですね。台本がなかった『誰も知らない』の演出は特殊だったんで。はっきり言ってあまり覚えてないんですけれども、その人の個性がわりと表面に出る演出ですよね。だから、自分がキャリア積んでいったらまたなんかやりたいなと。
──あそこまでのフリーな演出は是枝さんにとっても特殊だったと思いますね。また『誰も知らない』のスタイルで組んだら面白いかもしれませんね。
最高ですね。それだったら俺、超居心地良くてたまんないですね。その場で台詞とか教えてもらいたいですもん。
──そう言えるのは柳楽さんが演技力についての自信を深められたこそだと思いますね。それにしてもあの時点で、あの年齢とあの経験値でカンヌの賞を獲っちゃったっていうのは、想像を絶するプレッシャーだっただろうなと。(略)
いや、プレッシャーですよ、これは。常に周りから高いものを求められたっていうのが、凄く嫌でしたね、キツいな~って。まだ14歳とかだったので家族はいてくれましたけれど、自分一人で考えちゃうモードになったというか。
(略)
──結構『戦慄迷宮3D』(2009年)の時とかってしんどかったんじゃないですか? しんどさが画面に出てた感じがするんですね。あれ観たときは怖いとか3Dの効果とかより、柳楽さんの行く末が心配になった。
良くなかったですね・・・良くなかったって言っちゃったら失礼なんだけど、確かにしんどかった(笑)。
──でも2014年現在、名前があるだけでこの作品は観なければ、と思わせる俳優のひとりに返り咲いたわけですよね。やっぱりそのきっかけは李相日監督の『許されざる者』だったと思います。いってみれば是枝的演出とは真逆ともいえる監督だと思いますが。
もちろんです。それはもう(李監督には)頭が上がらないです。でも意外と勘違いする人が多いんですよね。(復活したのは)『アオイホノオ』からだとか『クローズEXPLODE』からだ、とかみたいな。じゃなくて『許されざる者』からなんですよ、事実。あれがあったから『闇金ウシジマくん Part.2』でもあんな風に演れたんです。「ファンに嫌われちゃう~」みたいなところは吹っ切れて、「ファンなんってみんないなくなれー!」みたいな勢いで(笑)。正直、10代は完敗だったので、20代は完全勝利で攻めたいなと、そんな気持ちでいます。
──やっぱり奥さんが良かったんじゃないですかね? エリーさんの表情見てるとそんな感じがして仕方ない(笑)。
そうですね、出会えたのは本当に。ホントにいい人なんです。それは確実にあります。大きいですね。
頑張ってカットをこころみましたが、大分引用多めです。
あまりに長いので、私の感想は続きに入れておきます。
改めて思いますけど、「最後の命」の後に「金閣寺」って壮絶だったなと。
金閣寺の頃は最高に痩せてたと思うんですが、そりゃ痩せるわ…と思うぐらい。
それでも役に負けずにちゃんと戻ってこられるようになってほっとします。
あと、ウシジマくん!
これも今になって思いますけど、この時期だからできた「おいしい脇役」だったなーと。
おそらくこれからはあの番手で出るのってそんなになくなってくると思うので(多分w)。
確かに溝口と鶴川の関係って、桂人と冴木ですね。
気付かなかったー!
アオイホノオネタもいっぱい振ってくれてますが、「ムフがねーよムフが」ってw
おもしろエピソードも披露してくれてありがとう^^
でも、その後に「ほんとによかったですか?」って改めて聞いちゃう柳楽くんが
可愛いです^^
そして是枝監督のお話!
お互いラブコール送っていて嬉しいですね~。
「超居心地良くてたまんないですね。」
というセリフを読む私がたまんなくなります。
戦慄迷宮も初めて突っ込んだインタビュー読みました。
新しいファンには「柳楽くんの作品は全部その時々の柳楽くんのいいところが
詰まってるから全部見て」と言いたいところですが、唯一戦慄迷宮だけは
見なくていいです…とつぶやきたくなる作品です…。
私がホラーだめっていうのもあるんですけどねw
意外と勘違いする人が多いんですよね。(復活したのは)『アオイホノオ』からだとか『クローズEXPLODE』からだ、とかみたいな。じゃなくて『許されざる者』からなんですよ、事実。
ここは本当強調しておきたい…!
(なので、時々ブログでも「許されざる者」以降変わったというのを意識的に
何度か書いてましたが)
どっちかって言うと、「アオイホノオ」と「クローズEXPLODE」から「周りの目が
変わった」かなーと思います。いい意味で、色々な人に再認識してもらえたなぁと。
で、最後の〆はエリーちゃん!
こんなに奥さん褒められる役者さんもそういない気がします(笑)