柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

本の感想

ちょうど文庫本が出ていたので、文庫本買ってきました。




文庫本は本人のあとがきやインタビューも収録されていてお得でした。
その2つを読むと、さらに興味深いので。

まずはネタバレなしの感想。

この作品が発表されて、あらすじも紹介された時に
「芸能界のリアル」というようなキーワードがあったので、
ジャニーズの子が書いた芸能暴露本的小説はちょっとつらいなぁ…と思って
結局読まずにいたんです。

でも、そういうものでは全然なかった。
インタビューで「なぜ芸能界の舞台にしたのか」と聞かれて
「知らない世界を書くより自分が経験した世界の方が書きやすいと思った」
というようなことを答えていたんですが、まさにそれが理由だろうと思えるぐらい
決してセンセーショナルな芸能界ではなく、温度や空気が日常と地続きのような芸能界
が描かれていると思います。

そして、何より構成も文体も本当に素晴らしくて!
最後どうなるのか気になってついページをめくる…という、あのパターンに
見事にもっていかれました。

章のタイトルを全部飲み物に揃えるという工夫も含め、多分長くエンタメ業界に
いるからこそ、本能的に「どうしたら興味を引いてもらえるか」というのを
考えられるんじゃないかなと思います。

これもインタビューに「ゴーストライターがいると思ってくれても結構。
それだけ、僕には書けないような内容と思ってくれたということだから」
というようなことを答えてました。この回答も含めて好感もてたなぁ。

で、本質的に描かれている内容ですが、柳楽くんファンの皆さん向けの表現をすると、
まさに「最後の命」と似たものがありました。
幼なじみの男の子2人が成長するにすれ、大好きで尊敬しあうがゆえに、羨望から嫉妬も入り
…という深い愛情のお話です。

「最後の命」の原作を読んだ方はわかると思いますが、2人の男性+その間に入る
女性1人のお話なんですよね。

このピングレもどこまでも3人の話で、その周りはほとんど出てこないお話です。
つまり。
男性では3番手らしい柳楽くんが何の役をやるのか、というのが謎すぎるのです。

正確に言うと、「3人目の男性」はいます。
が、映画化するにあたり、どういう立ち位置になるんだろう…と。
そういう難しさもあるから、原作を再構築して立ち位置もちょっと変えてくるんだろうか…
と、読み終わった後まさに妄想しまくってます。

で、映画化のコメントで菅田くんが「めちゃめちゃな脚本」って言っていて
「おいおい、それは失礼にならない?大丈夫?」って心配になったのですが、
原作読んで納得しました。

これを映画化すると「めちゃめちゃな脚本」になることは”避けられない”です。
なんというか、俳優としてのアイデンティティが混乱しそうというか。
難しくてやりがいのある映画だと思います。

ネタバレなしの感想だけで長くなっていまったので、とりあえず
これで一旦あげます。ネタバレありを書く気力が……もうないかも……。