ネタバレ感想
ネタバレ編いきます。
(ネタバレなし編は1つ前です)
原作読まずに映画に臨みたい方はご注意くださいませ。
PCで続きを読む方は右下の「ネタバレ感想はこちら」をクリックで。
ちなみに菅田くんブログによると、既に菅田くんはクランクインしてる
ようですね。柳楽くんも「まっしろ」と同時並行で進めているのか、
私が想像している「3人目の男」だとしたら、もうちょっと出番が後ろなのか…。
うーむ。
はてさて。
※以下かなり重要なネタバレ展開も触れていますので、ご注意を。
とにかく、第1章が素晴らしいなと。
わずか7ページで、「ごっち」と自分との社会的ポジションの差、
それ以上に広がる心の距離感を伝えたうえで、最後の4行で
「今の僕」が何か重い足枷をひきずりながら、「白木蓮吾」の回顧録的な
ものを書いているという全体構造を見せるところまでもっていってるんですよね。
しかも読み返して気付きましたが、ここに既に「石川」の性別ミスリードも入れている
(って、これ意図的じゃなかったりして)。
ガンダム第1話で違和感なくガンダムの乗り込むアムロばりに無駄のない進め方
…と言ったら褒めすぎ?(笑)
ここから、幼い頃と20代がカットバックで進みます。
途中、章タイトルは20代なのに10代のエピソードが挟まったりしたので、
そこはちょっと違和感あったかな。私が読み方ヘタなだけかもしれないけど。
小学生までは、
<たしかなことなどなにもなく、ただひたすらに君が好き>
という純粋な気持ちだけで寄り沿えた主人公が、
10代後半の多感な時期に「ごっち」と自分が同じ条件ーー雑誌モデル~エキストラ
にも関わらず、第三者からの評価で明らかに差がついていくことで、
羨望と嫉妬という複雑な感情を得て、20歳に決裂をしてしまう。
これがカットバックで進む1つの大きな回顧録。
で、もう1つが冒頭の24歳から始まる「割と最近の僕」の話。
でも、それとは別に第3章でいきなり「25歳」で謎すぎる状況が2ページ入る。
私、最初読んだ時に「え?この二人最終的に同性愛的な領域に入っちゃうの?!」
と思ってしまった。そのぐらい意味深で謎な2ページ。
ここの意味は後半の事件時に、そしてむしろ再読の時に「あぁ…」と
腑に落ちる作りになっているのが憎い。
同じく雑誌モデル時代に再会した石川も、再会時に「女性」とわかる作りに
なっていて、あ、そうきたか、と。
ここからはだんだん、回顧録と最近の僕が時系列的に近づいてきて、
25歳で「白木蓮吾」と主人公は再会をし、そして第十一章で事件は起きる。
再会の夜の会話。
サリーが2か月前に結婚していたこと。
「おれは狂ってるよ。そしてこれからも狂っていく」。
「やめても僕は芸能人なんだよ」。
メスに寄生すると愛の機能だけ残して”実質死んでしまう”オニアンコウ
「そうなりたいんだ」。
あんなに羨望と嫉妬を送っていた「ごっち」は決して幸せではなかった。
その事実を知り、もう一度
<たしかなことなどなにもなく、ただひたすらに君が好き>
に戻れる関係になれる矢先の「ごっち」の決断。
もう一度愛情に立ち戻った主人公が取った行動。
ここまでは読んで「あ、そういう物語か」と思ったのに、
面白いのはここから先にもう一展開あること。
白木と河田の二人の物語を映画化し、
河田が白木を演じることになる。
この物語が「芸能界」である必然性がここで一気に出てくるんですよね。
白木蓮吾を演技として追体験することで、主人公もアルビノのメダカになっていく。
透明に。
透明に。
白木になることで、もう一度「ごっち」と邂逅する。
友情物語というより、愛情物語に近いお話だなと思います。
ここでまた「最後の命」を出してきて申し訳ないんですけど、
「最後の命」は決別するキッカケが本当にセンシティブなものだったので、
「腹割って話そう」というのが相当ハードルが高いのはわかるんですが、
この二人の場合は、「俳優を本気でやるかどうか」というところでのすれ違い
だったので、この二人こそ20歳の時点でちゃんとコミュニケーションとって
いればなぁ…と思ってしまいます。
そこに重さがないので、25歳の決断も27歳の映画での追体験も
切実さがちょっと足りない気がしてしまったのですが、
でも、二人の愛情を回顧録という形をとって軌跡を見せ、
一見ゴールと見えるところから、もう一度関係を再構築していくという
見せ方はとても面白いと思いました。
映画化にあたっては、エピソードがかなり変わるようなので、
決別部分ももうちょっと説得力が出てくるとより面白くなるかなーと
楽しみです。
で、ネタバレなし編で柳楽くんがやるかもと書いた「3人目の男」は、
映画化時の河田役「百井」のことを指していたんですが、
本の中では実質「河田役」としてのセリフしかないので、
どうなるのかなぁと。
この本を映画化した時に、その中でさらに「映画化」をするって
成り立つんだろうか…とか。色々疑問はつきません。
もしくは、幼なじみか高校のバンド仲間の立ち位置を変えて
大人になっても絡ませるんだろうか…とも考えたんですが、
そこまでしてしまうと、「男二人の物語」ではなくなってしまうので
ちょっと違うような気がするんですよね。
ごくごく個人的な欲望としては、白木役やバンド仲間役だと
柳楽くんのバンド演奏姿が観れるなーなんて思っちゃいますが(笑)
その辺は運を天に任せて、とにかく面白い作品になればいいなと思ってます。
(どうでもいい追記)
インタビューで、作者はりばちゃんもごっちも自分と言ってますが、
読んでいると、どうしてもごっちは山Pを想像してしまいますね。
もちろんだからと言って完全にモデルという訳でもないと思いますが
要素は入っているんだろうなぁ…と邪推。
(ネタバレなし編は1つ前です)
原作読まずに映画に臨みたい方はご注意くださいませ。
PCで続きを読む方は右下の「ネタバレ感想はこちら」をクリックで。
ちなみに菅田くんブログによると、既に菅田くんはクランクインしてる
ようですね。柳楽くんも「まっしろ」と同時並行で進めているのか、
私が想像している「3人目の男」だとしたら、もうちょっと出番が後ろなのか…。
うーむ。
はてさて。
※以下かなり重要なネタバレ展開も触れていますので、ご注意を。
とにかく、第1章が素晴らしいなと。
わずか7ページで、「ごっち」と自分との社会的ポジションの差、
それ以上に広がる心の距離感を伝えたうえで、最後の4行で
「今の僕」が何か重い足枷をひきずりながら、「白木蓮吾」の回顧録的な
ものを書いているという全体構造を見せるところまでもっていってるんですよね。
しかも読み返して気付きましたが、ここに既に「石川」の性別ミスリードも入れている
(って、これ意図的じゃなかったりして)。
ガンダム第1話で違和感なくガンダムの乗り込むアムロばりに無駄のない進め方
…と言ったら褒めすぎ?(笑)
ここから、幼い頃と20代がカットバックで進みます。
途中、章タイトルは20代なのに10代のエピソードが挟まったりしたので、
そこはちょっと違和感あったかな。私が読み方ヘタなだけかもしれないけど。
小学生までは、
<たしかなことなどなにもなく、ただひたすらに君が好き>
という純粋な気持ちだけで寄り沿えた主人公が、
10代後半の多感な時期に「ごっち」と自分が同じ条件ーー雑誌モデル~エキストラ
にも関わらず、第三者からの評価で明らかに差がついていくことで、
羨望と嫉妬という複雑な感情を得て、20歳に決裂をしてしまう。
これがカットバックで進む1つの大きな回顧録。
で、もう1つが冒頭の24歳から始まる「割と最近の僕」の話。
でも、それとは別に第3章でいきなり「25歳」で謎すぎる状況が2ページ入る。
私、最初読んだ時に「え?この二人最終的に同性愛的な領域に入っちゃうの?!」
と思ってしまった。そのぐらい意味深で謎な2ページ。
ここの意味は後半の事件時に、そしてむしろ再読の時に「あぁ…」と
腑に落ちる作りになっているのが憎い。
同じく雑誌モデル時代に再会した石川も、再会時に「女性」とわかる作りに
なっていて、あ、そうきたか、と。
ここからはだんだん、回顧録と最近の僕が時系列的に近づいてきて、
25歳で「白木蓮吾」と主人公は再会をし、そして第十一章で事件は起きる。
再会の夜の会話。
サリーが2か月前に結婚していたこと。
「おれは狂ってるよ。そしてこれからも狂っていく」。
「やめても僕は芸能人なんだよ」。
メスに寄生すると愛の機能だけ残して”実質死んでしまう”オニアンコウ
「そうなりたいんだ」。
あんなに羨望と嫉妬を送っていた「ごっち」は決して幸せではなかった。
その事実を知り、もう一度
<たしかなことなどなにもなく、ただひたすらに君が好き>
に戻れる関係になれる矢先の「ごっち」の決断。
もう一度愛情に立ち戻った主人公が取った行動。
ここまでは読んで「あ、そういう物語か」と思ったのに、
面白いのはここから先にもう一展開あること。
白木と河田の二人の物語を映画化し、
河田が白木を演じることになる。
この物語が「芸能界」である必然性がここで一気に出てくるんですよね。
白木蓮吾を演技として追体験することで、主人公もアルビノのメダカになっていく。
透明に。
透明に。
白木になることで、もう一度「ごっち」と邂逅する。
友情物語というより、愛情物語に近いお話だなと思います。
ここでまた「最後の命」を出してきて申し訳ないんですけど、
「最後の命」は決別するキッカケが本当にセンシティブなものだったので、
「腹割って話そう」というのが相当ハードルが高いのはわかるんですが、
この二人の場合は、「俳優を本気でやるかどうか」というところでのすれ違い
だったので、この二人こそ20歳の時点でちゃんとコミュニケーションとって
いればなぁ…と思ってしまいます。
そこに重さがないので、25歳の決断も27歳の映画での追体験も
切実さがちょっと足りない気がしてしまったのですが、
でも、二人の愛情を回顧録という形をとって軌跡を見せ、
一見ゴールと見えるところから、もう一度関係を再構築していくという
見せ方はとても面白いと思いました。
映画化にあたっては、エピソードがかなり変わるようなので、
決別部分ももうちょっと説得力が出てくるとより面白くなるかなーと
楽しみです。
で、ネタバレなし編で柳楽くんがやるかもと書いた「3人目の男」は、
映画化時の河田役「百井」のことを指していたんですが、
本の中では実質「河田役」としてのセリフしかないので、
どうなるのかなぁと。
この本を映画化した時に、その中でさらに「映画化」をするって
成り立つんだろうか…とか。色々疑問はつきません。
もしくは、幼なじみか高校のバンド仲間の立ち位置を変えて
大人になっても絡ませるんだろうか…とも考えたんですが、
そこまでしてしまうと、「男二人の物語」ではなくなってしまうので
ちょっと違うような気がするんですよね。
ごくごく個人的な欲望としては、白木役やバンド仲間役だと
柳楽くんのバンド演奏姿が観れるなーなんて思っちゃいますが(笑)
その辺は運を天に任せて、とにかく面白い作品になればいいなと思ってます。
(どうでもいい追記)
インタビューで、作者はりばちゃんもごっちも自分と言ってますが、
読んでいると、どうしてもごっちは山Pを想像してしまいますね。
もちろんだからと言って完全にモデルという訳でもないと思いますが
要素は入っているんだろうなぁ…と邪推。