柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

映画感想<ネタバレ編>

初日を迎えましたので、ネタバレ編書きます。
ほんとに容赦なく書きますので、観る予定がある方は必ず
観てから読んでください。
なお、こちらの記事はコメントもネタバレOKにしたいと思います~。
書きたいけど書けないー!って人はこちらに吐き出してもらえればw


では、PCの方は右下の続きをクリックしてください。
携帯の方は改行します~。






念のためもう少し改行。


















はい。ここにきた人は映画観た人ということで!
あ、ついでに原作との対比も書きます。

まずは映画の感想から。

■映画の感想
1回目も62分に起こることは想像していた通りではあったのですが
その先で描かれている世界がぶっちゃけ原作とは真逆に思える作りを
していたので、そこが受け止めきれずもやもやっとしてました。
が、2回目を観て解釈が大分整理されました。

原作は、りばちゃんはごっちに憧れ続けて、追体験することで
ごっちを「理解していく」。なのに、映画では「映画が公開されてから」
姉の事件の真相を知り、姉への気持ちも知り、死んだ理由も
想像していたものとは全然違ったということを知り、
「何も知らなかった。親友ちゃうやん」となる。

それに対して、対峙する”ごっち”は「わかる訳ないよ」とこともなげにいい、
「それでいい」とまで言う。

私は原作の甘美なまでのごっちとりばちゃんの友情が好きだったので、
うわ!大分変えたな!と思ったのですが、でも「りばちゃん」がこれからも
生きていくのには、ある意味この方が「解放」されるんですよね。

原作のりばちゃんは同化して理解したからこそ、おそらく人生をかけて
ごっちを引きずるし、自分の中で常に比較し続けてしまうと思います。

でも原作でも映画でもごっちは一貫して
「りばちゃんは僕を意識しすぎ」
と言っているし、映画の事務所の社長は、りばちゃんが「おれとごっちは違う!」と
叫んだ時に言い含めるように「そうだよ。全然違うよ」と言う。

だから、映画ではりばちゃんをごっちから解放する映画にしたんだと思います。

その解放のための最後の一言が柳楽くん演じるごっちの「それでいい」「それがいい」
なんだろうなと。

りばちゃんは、自分とは違うんだよと。
それでいい、それがいいんだよと。

だからもう過去に、ごっちに縛られる自分を「しょーもな!」と決別できた。

ごっちの真意に気付いたりばちゃんは、きっとこれから本当に自分の力で
生きていけるんじゃないかなと思います。

以上、私の「原作の映画化」消化活動でした(笑)。

ちなみに、わかっていて観ると、演出で気付くところもあって、
その1つが1回目もなんとなく引っかかっていたんですが、
「ピンクの風船が飛んでいく」シーン。(劇中劇の方です)
あの風船、りばちゃん(菅田くん)とサリー(夏帆ちゃん)は道路から見上げるんですよね。
というかほとんどの人は道路にいるから見上げる格好になるんですが。
でも、ごっち(裕翔くん)はオサレマンションから見下ろしている。
これって「ピンク=芸能界」ということなのかなと。
ごっちには芸能界はもう自分の価値観の中では下にあるもので
かつ遠くに離れるもの、という象徴なのかなと受け取りました。


あと、62分以降は全部モノクロだと思い込んでいたのですが
冷静になって観ると、ごっち(柳楽くん)はカラーなんですよね。
で、最後に邂逅し、ごっちがりばちゃんを抱いていく中で朝日が
のぼっていくと全部がカラーに戻る。
ここも「解放」の象徴なのかなと思いました。

行定監督、相当原作を読み込んでシゲにも色々質問したうえで
練り直しているので、すべてのシーンに意味があると言っていたし、
3回4回観てもまだまだ気付きがでてきそうな気がします。



■演者さんの感想
・裕翔くん…初主演映画がこれで本当によかったなぁって思います!
ジャニーズというスター性が必要になる役ってそうそうあるものではないですし、
PVはね、あれはもはやジャニーズしかできないと思うw
で、ジャニーズという一括りの中でも色々な人がいる訳ですが、
長身で品がある顔をしていて、演技経験やセンスがちゃんとあって、
かつまだキャラクターの色がついていないジャニーズという意味では
今裕翔くんしかいないだろうと思うので、これがもう「ごっち」の方に
ハマりすぎでした。
映画初主演というのが、そのまま「ごっち」の右肩上がりの人気に重なるようでした。
あのぐらい身長があるとやっぱり華があるので、今後ドラマや映画でかなり
重宝される予感がしてます。

・菅田くん…1回目。62分の想像はしていたとはいえ、映画観る時はなるべくその辺は
考えないで観てたんです。が、冒頭からなんかすだくんのキャラクターに違和感が
あったんですよ。で、それは20分頃?のお葬式のシーンで確信しました。
「あれ??いつもより菅田くんの演技がヘタ…どうした?」と。
が!62分のあのどんでん返しがあって、戦慄しました。
演技が微妙にへただったのは「菅田くんが演技していた」のではなく、
「成瀬が演技していた」からと気付いたから!!!
計算づくで演技具合を調整していた!!おそるべし!
で、今日パンフを買ったら、菅田くんがまさに「成瀬だったらりばちゃんを
こう演じるだろう」と考えて動いていたというくだりがあって、やっぱり…!!と
また驚きました。やっぱりすだくんって、地頭がよいなぁと。
「ちゃんと全部考えて演じられる俳優」さんとしてこの世代でピカイチだと思います。
柳楽くんは計算しないで演じる憑依タイプだと思うので、この2人が次作ではがっつり
やってると思うと楽しみしかありません!!

夏帆ちゃん…この方も前半と後半で全くキャラが変わって凄かったですね…。
海街diaryを観た後だったから余計にインパクトが!
ティーチインで行定監督が話していたんですが、ベッドシーン直後のバスローブの
シーン、本当に何もつけてなくて(つまりニプレスもつけてないってことだと思います)
大丈夫?って聞いたけど、大丈夫って言ってそのまま撮影したと。
結果的にちゃんと見えそうで見えない感じに収まっていてよかったと。
(見えた瞬間にR15になっちゃうそうです。だから秘密クラブのところもブラックライトなんですね)
一方で、今まで衣装は言われたものを似合ってないなと思っても着てたらしく、
行定監督はそれを聞いて、衣装に時間かけて納得するまでやったと言っていたので、
普段はやはりそんなに自分からガンガンいくタイプではないんだと思います。
そのかほちゃんがあそこまでやるというところに女優魂を観た気がします。

ちなみにティーチインで行定監督が「周りに”こんなに差がある女優はさすがに
いないでしょう”と突っ込まれたけど、いやいるよなと思って。サワジリさんとか。
スクリーンでは絶対素を見せない女優だから」
とぶっこんでましたwそういや例の映画の監督だったw
でもある意味褒めてますよね。演じきってるってことですから。

・柳楽くん…もうね、最初の柳楽くんの「出演シーン」であるビルの看板!
あれを見た時に鳥肌たったし、かっこよすぎて気絶するかと思いました。
なに看板1枚でごっちの説得力出しちゃってるの…!!!
パンフで、監督のごっちのイメージは「尾崎豊さんやリバーフェニックス」と言ってましたが、
まさに尾崎豊ばりの雰囲気ある写真でした。
あれ…手元に欲しい……。
で、実際に動くシーンは3回!そこにテレビでの紹介映像とお姉さんとのビデオカメラを
入れても5シーン!(で、合ってます?)
それであの説得力と存在感ですから、なんかやっぱり柳楽くんってすだくんが言うように
「ずるい」ですよね(笑)。

シーン数は少ないものの、その中での表情、声のトーンもほんっと雰囲気あって。
ごっちに対しての少し突き放した言い方、逆にさとす言い方、
そして…お姉ちゃんとの会話のトーン!
いやほんとにもう甘い声の柳楽くんは危険です。危険物です。
もうあれだけでR15指定です。
別にお姉ちゃんと何かしてる訳でもないのに何か「エロいものを観てしまった」感が
してくるんだから間違いなくR15です(笑)

で、そのお姉ちゃんが、実際は堀越の同級生の涼子ちゃんな訳ですよ!
元同級生と「姉弟の設定で、しかも近親相姦チックな関係」で演じるって…
どういう心情だったんだろうなぁ。
もうそういう意味でも芸能界のピンクとグレーを感じちゃいましたよw
ちなみに涼子ちゃん、「魔王」を観てた時かわいいなー!って思って観てました。
その後あまり見なくなってしまって気になってたんですが、まさか共演するとは!

あ。忘れてた!
シゲ!シゲのカメオ出演
出るって知ってたので1回目から気付いてましたw
まさかのほぼ本人役www
今日は2回目だったのでそこだけはシゲガン見してましたw
(ちなみに初号試写の後のうちあげのシーンです)

はぁぁぁぁ。
ずっとネタバレして存分に語りたかったので、ようやくすっきりーー!!

最後に。
ティーチインで私が質問した時のネタバレ回答部分を。

「企画が決まった時、本当のりばちゃんは柳楽って直観で思ったんだよね」
ということと
「柳楽が昔ゴタゴタ…というか、あんな小さい時にカンヌ受賞して凄いプレッシャー
があって…っていう、そういう背景自体がりばちゃんに重なって、で、
普通そこまでやなことあったら役者辞めたいって思うじゃない?
でも彼は役者続けてるっていうのがいいなって思ったし、
やってもらって狙い通りだった」
ということをお話してくれました。


これ多分、カンヌ受賞した時の当時の空気感を知っている人はわかると思うんですけど、
あの時、芸能界全体が「この子を壊しちゃいけない」っていう空気があったんですよね。
だから、色々な監督が柳楽くんの成長を見守ってくれたうえで今ご指名してくれているのが
本当にありがたいし、恵まれているなぁと思います。

さて、ピングレに浸りつつも、残り2作も楽しみな2016年始まりました!