柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

ワールド・オブ・ライズ

仕事がひと段落したので、久しぶりに映画館で映画みてきました。
ほんとは「ウォーリー」観たかったんだけど、近場では吹き替えしかやってなかった…。

さて、「ワールド・オブ・ライズ」。
タイトルと予告から、もっと嘘のつきあいっこが展開するのかなと思ったんですが、
意外に嘘のテンポのよさより、リアリティのあるストーリーが重視されているものでした。


主人公(ディカプリオ)は、CIAの諜報部員として中東に潜入して、テロリストに一番「距離的に」
近いところにいる。
一方上司(ラッセル・クロウ)は、基本的には遠くアメリカから情報を集約し「情報的に」
一番近い場所にいつつ、安全でのどかな生活の中で携帯電話で指示を出す。

主人公は、目の前の中東の文化や暮らし、そしてもちろんテロリスト達と接することに
よってベストなやり方で進めようとするけど、上司は余計な情報や感情は抜きに
いらないものはいらない、見捨てるものは見捨てるとクールな判断で進めようとする。

そこに中東ヨルダンの諜報機関も関わることによって、観ている観客もどこまでが嘘や工作なのか
わからなくなってくる…というのが、大まかなあらすじ、なんですが。

この映画を観てふと思ったこと。

人って、「自分の任務」として与えられるとそれを全うしようとするんだよなぁと。

当たり前だけど。

比べるのもおこがましいけど、例えば私も今年「いついつまでにこのサービスを開始させる」
という命題があって、そうすると最初は俯瞰もしながら進めているつもりでも最後の方になると
「この日までにサービス開始」というただ1つの目的に向かってとにかく突き進んじゃうんです。
そのサービスを開始すると他にどういう影響があるか、とか、逆にここで開始日を見直すと
どうなるのか、とかそういうことは考えられなくなってしまう部分がどうしてもあるんです。

きっと、現実に今世界各地にいる諜報部員の人たちも(もちろん私の百倍頭いいと思うけれど)、
「テロリストを1人でも多く捕える」というお題目に向かって突っ走っていて、
捕まえさえすれば世界は平和になるという感覚になっているだろうし、
だからその為には法を逸脱してもいいと思ってしまっているんだろうなーと。
それは、この映画で言う主人公も上司もやり方は正反対でもその「まっしぐら」さでは変わらないなと。

でも、この映画を観る限り、CIAのやってることとテロリストがやってることってほとんど
変わらないんですよね。違いはテロをやってるかどうかぐらいで。

映画の冒頭に
「ぼくも民衆も知っている
子どもでも知っていることだ
危害を加えられた者は
きっと仕返しをする、と」

というW.H.オーデンという人の言葉が引用されているんですが、
うん、まぁ、そういうことですよね。

CIAや米軍がいくらテロリストを捕まえたって、きっと平和にはならないんですよね。

リドリー・スコットはこの映画に関して一貫して政治的メッセージはない、と
言いきってますが、こんなリアルな題材を「嘘の付き合い」ではなく「ストーリー重視」に
している時点で、これはアクション映画というオブラートに包んだ政治風刺なんだろうなと
私は解釈しました。

ただ、私は「嘘の付き合い」でドキドキハラハラするつもりで観たので、そういう意味では
肩透かしを食いました。予告は人を呼ばないといけないから、しょうがないのかもですが、
ちゃんと予告から「これはドキュメンタリーではないが、現実に起こっていることだ」という
メッセージを伝えてくれたら、観る側の心構えが違ったのになぁ。

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関係ないですが、この作品のディカプリオとこの間のシネマトゥデイでの柳楽くんの写真が
すごい雰囲気似ててびっくり。
顔が似てる、というのじゃなく、雰囲気が似てるんです。
ギラギラ感が出ている感じが。
あとヒゲ具合と輪郭のパンパン具合(笑)
ちょっとweb上の写真だと「これ!」っていうのはないんですが…。
この辺とか見ると雰囲気は伝わるかなぁ。