柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

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[本の感想]剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎

剣と紅 戦国の女領主・井伊直虎 (文春文庫)


井伊直虎の小説ですが、大河ドラマの原作ではありません。
私が井伊直虎を全くと言っていいほど知らなかったので、
参考本として読みました。

この作者も全く知らなかったのですが、ラノベ出身のようですね。
(そしてトッカン原作者なのね)
だからかな。普段歴史小説は読まないのですが、割とすっと読めました。

加えて、この中の井伊直虎は、悪いことが起きる時に「視える」という不思議能力を
持った女性として、描かれてます。

井伊家を背負った一人娘。
少し不思議な能力。
その能力のおかげで村人が助かり、村人からも慕われ、あがめられる……。

序盤、私の中では完全にナウシカッ…!!!ってなってました(笑)

で、この「視える」能力がうまく彼女のその後の人生(つまり史実)と
関係していくんです。
この辺りのフィクションとノンフィクションのシャッフル具合がうまい!
また、その特殊な能力を認めたくない自分と、認めなかったからこそ
不幸を防げなかった自分で苦悩するところも、感情移入しやすかったです。

ただ、この中での尚虎は恋愛感情というもの自体
明確には出してないので、恋バナはそんなにありませんでした。
そこはもうちょっと膨らませて読みたかった…。

ちなみにこの中には、肥汲みから成りあがった人物がいるんですが、
もしかして盗賊の頭もこんな感じで成り上がっていくのかな、なんて勝手に想像
してました。(この本に出てきた人物は最後実在の人物に繋がっていくのですが
ちょっとイヤな奴になってしまったので、この本通りにはなってほしくないですw)

総じて、小説としては面白く読めたんですが、やはり直虎自身が戦場に赴く
訳ではないことから、クライマックスはややだれてしまった感は否めませんでした。
また、その面白さがフィクションである「視える」ことにまつわる部分だったので、
そのフィクションなしで大河としてやったら、どのぐらい面白いのかは
未知数だなーとは思いました。

「視える」となると「大河ファンタジー」になってしまうので、そこまで大胆なことは
しないと思いますが、やはりある程度フィクションを織り交ぜていかないと
1年分のドラマにはなっていかない気がします。
そのフィクション部分が何になるのか、がポイントになりそうです。

盗賊、いい感じに膨らむ役だといいなぁ。