映画『夜明け』広瀬奈々子監督×写真家・佐藤麻優子トークレポート
5/9分です。
表現できない感情を描く。映画『夜明け』広瀬奈々子監督×写真家・佐藤麻優子トークレポート
『夜明け』の宣伝写真を担当した写真家・佐藤麻優子さんとのトークショーレポートです。
なるべく柳楽くんのところだけ抜粋しますので、全文はリンク先をお読みください。
佐藤 私は(広瀬)監督とも主人公のシンイチとも近い世代なのですが、自分のなかで思っていることがあるにも関わらずうまく表現できず、「ああ、これをああしとけばよかったな」と自分のなかで引っかかって、もやもやしたまま時間が過ぎてゆく、そういうところの表現が、シンイチを演じた柳楽優弥さんの演技力も含めてすごく印象に残っていますね。
広瀬 (略)非常に受け身なキャラクターで、そもそも主人公になりえない人物像だったのですが、柳楽さんの演技力を借りて、なんとかつくり上げていきましたね。
広瀬 (略)柳楽さんを思い浮かべたときに筆が進んだというか、たんに受け身で遠慮するだけのキャラクターじゃなくて、柳楽さんがもともと持っているエネルギー、「そこからなんとかしてやろう」っていう強い欲求が瞳に宿っていて。最後にはこの役は柳楽さんしか考えられなくなっていました。
佐藤 (略)シンイチを演じる柳楽さんは、表には出せないけど内面で渦巻いているような、言葉にしづらい気持ちを表情や仕草のひとつひとつで見事に表現できている。(略)
広瀬 撮影する前や撮影中に、柳楽さんと私と2人きりで、ほかのスタッフたちを遮断するようなかたちで話し合う、「柳楽タイム」みたいな時間を設けて、そこで相当密度の濃い話し合いを重ねながらつくっていきました。柳楽さんのこれまでのヒストリーとか、抱えていた問題と重なる部分もあったりして、そういうところもきちんと話し合って。プライベートなことも含め、お互いのことを共有していきましたね。
広瀬 (略)柳楽さんも非常に真面目な方なので、大事なシーンでモチベーションを高めるまでにかなり自分を追い込んでいて。お芝居に気持ちを入れ、ひとりの人物をつくり上げていくまでには時間がかかるものなんだな、というのは肌で感じました。
広瀬 (略)私自身がどこまで柳楽さんを追い込めたかわからなくて、追い込む時間を2人でつくっていったというほうが近いですね。「まだ追い込めてないです」っていうサインを柳楽さんから頂けるので、そのときに追い込む時間をつくっていったというテンポ感だと思います。
(略)なぜ主人公がそういうところに追い込まれていったのかということを柳楽さんと私とで分析してかたちにしていく。基本的に私から主人公の感情を説明するということはやっていません。
2人きりで話したというのは何度か聞いてましたが、そこで具体的にどういう話を
どういうテンションでしていたかはこれで初めて知った気がします。
なるほど。なんとなく想像つきます。
監督側もそれに付き合ってくれるタイプの人と、そういうことはしないタイプの人が
いると思うので、『夜明け』はそれがトコトンできてよかったなぁと思います。
表現できない感情を描く。映画『夜明け』広瀬奈々子監督×写真家・佐藤麻優子トークレポート
『夜明け』の宣伝写真を担当した写真家・佐藤麻優子さんとのトークショーレポートです。
なるべく柳楽くんのところだけ抜粋しますので、全文はリンク先をお読みください。
佐藤 私は(広瀬)監督とも主人公のシンイチとも近い世代なのですが、自分のなかで思っていることがあるにも関わらずうまく表現できず、「ああ、これをああしとけばよかったな」と自分のなかで引っかかって、もやもやしたまま時間が過ぎてゆく、そういうところの表現が、シンイチを演じた柳楽優弥さんの演技力も含めてすごく印象に残っていますね。
広瀬 (略)非常に受け身なキャラクターで、そもそも主人公になりえない人物像だったのですが、柳楽さんの演技力を借りて、なんとかつくり上げていきましたね。
広瀬 (略)柳楽さんを思い浮かべたときに筆が進んだというか、たんに受け身で遠慮するだけのキャラクターじゃなくて、柳楽さんがもともと持っているエネルギー、「そこからなんとかしてやろう」っていう強い欲求が瞳に宿っていて。最後にはこの役は柳楽さんしか考えられなくなっていました。
佐藤 (略)シンイチを演じる柳楽さんは、表には出せないけど内面で渦巻いているような、言葉にしづらい気持ちを表情や仕草のひとつひとつで見事に表現できている。(略)
広瀬 撮影する前や撮影中に、柳楽さんと私と2人きりで、ほかのスタッフたちを遮断するようなかたちで話し合う、「柳楽タイム」みたいな時間を設けて、そこで相当密度の濃い話し合いを重ねながらつくっていきました。柳楽さんのこれまでのヒストリーとか、抱えていた問題と重なる部分もあったりして、そういうところもきちんと話し合って。プライベートなことも含め、お互いのことを共有していきましたね。
広瀬 (略)柳楽さんも非常に真面目な方なので、大事なシーンでモチベーションを高めるまでにかなり自分を追い込んでいて。お芝居に気持ちを入れ、ひとりの人物をつくり上げていくまでには時間がかかるものなんだな、というのは肌で感じました。
広瀬 (略)私自身がどこまで柳楽さんを追い込めたかわからなくて、追い込む時間を2人でつくっていったというほうが近いですね。「まだ追い込めてないです」っていうサインを柳楽さんから頂けるので、そのときに追い込む時間をつくっていったというテンポ感だと思います。
(略)なぜ主人公がそういうところに追い込まれていったのかということを柳楽さんと私とで分析してかたちにしていく。基本的に私から主人公の感情を説明するということはやっていません。
2人きりで話したというのは何度か聞いてましたが、そこで具体的にどういう話を
どういうテンションでしていたかはこれで初めて知った気がします。
なるほど。なんとなく想像つきます。
監督側もそれに付き合ってくれるタイプの人と、そういうことはしないタイプの人が
いると思うので、『夜明け』はそれがトコトンできてよかったなぁと思います。