柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2024年Works「夏目アラタの結婚」「ライオンの隠れ家」CM:リクルートエージェント、金麦、香味ペースト

原作感想

どうしてか大人になればなるほど、感想を書くのが苦手になってしまったので
今回もうまくまとまっていないのですが…。

原作を買って読みました。
なんとなくもっとボリューミーな1冊だと思っていたのですが、
実際の本はとても薄くてちょっとびっくりしてしまいました。
マンガでこの薄さで2時間の映画になるようなお話になっているんだろうか、と。

ネタバレちょっとしているので、念のため「続き」へ。



私、社会に出てから常々思ってたんですよね。
歴史は現在から遡って学ぶ方がいいんじゃないかって。
自分のおじいちゃんの頃は世の中はこうで、さらにその親の時代はこうで…と
遡った方が「自分と地続きの出来事」として感じられそうな気がして。
縄文時代から学ぶとどうしても自分の出来事ではなく、猿の進化みたいな全然
別世界になっちゃうんですよね。(そして、明治維新ぐらいで授業が終わってしまう…
これって今もなのかな?)

杉浦日向子さんはまさにこのお話を「歴史の出来事ではなく、身近な昔話が書ければ」
「自分の先祖だったら」と位置づけていました。

まさに「江戸の終わりの等身大の若者のお話」でした。
恋もするし、理想に燃えて突っ走りもするし、記念の写真も撮る。
でも一方で、どうしたって「今の等身大の若者」とは違う部分もあります。

それが武士の場合は「戦う」こと。
そして、その際には「旧幕府」なのか「新政府」なのかを文字通り命をかけて選択すること。
逆にここを今に置き換えるとすると、自民党や野党に命をかけられるかって話です。
いかに今の私達とは違うものを抱えていたかってことですよね。

他の部分が「私達と同じ等身大」であればあるほど、この違う部分が
切なく響いてきて。
手首が飛ぶような戦いの生々しい描写、介錯の当時の状況など実際の風俗を冷静に
描写していることとあいまって、剣をもって戦うことが決してかっこいいことでも
美しいこともでもないことが重く提示されているような気がします。

私の知識が追いついていなくて、読み終えた後に知ったのですが、
ラストのシーンは立葵と野菊の対比まで描きこまれているんですね。
改めて見ると、確かに意思をもって描かれている書き方になっています。
もしかしたら、私の知識が追いついていないだけで、他にも色々書き込まれているのかも
しれないなと思うと、もっともっと江戸の知識を増やしたいなと思ってしまいます。

さて、最後に秋津極。
目に力があるビジュアルは確かに柳楽くんにぴったり!
強い意志のもと彰義隊に入り、批判をすると弟でも容赦なくはたくクールさは
また今までのどの役とも違う気がするので、楽しみです。

楽しみだけど…秋津極の人生を思うとやっぱり哀しみを覚えずにはいられません。
実在する人物ではないのに、実在したような気がして、
安らかに眠って欲しいと祈ってしまいます。
きっと映画を観た時にその思いは増してしまうんだろうな…。