柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

風が強く吹いている



ようやく柳楽くんネタ以外のエントリ。
でも実はこれも柳楽くんつながりなのだ。
というのもある人のブログで
この本を映像化するならある登場人物は柳楽くんで
と推していたから(笑) 

や、元々読みたい本ではあったんですけどね。
ハードカバーはなるべく買わず我慢してるところだったんです。
でも、柳楽くんキャラがいるとなれば話は別。
 ということで、さっそく読んでみました。 

うわぁぁぁ。いいな、これ。
やっぱあそこまで評判いいだけあります。 

ものすごく端的に言うと
(「ウォーターボーイズ」+「バッテリー」)/2
にして、それを駅伝版にした感じ。 

でも、この「駅伝版」というところが最大のポイントで。
私も駅伝結構好きなんですけど、駅伝って文中にもあるように
個人競技団体競技の中間」なんですよね。
戦っている時は孤独。一人の戦い。
でも、その戦いに一人が敗れると、それはチーム全体の敗戦を意味する。
例えば、空手なんかも「個人競技団体競技の中間」っぽいんですが、
個人の勝負に敗れても、後で主将がなぎ倒したりすれば挽回ってできるじゃないですか。
でも駅伝は一人ドロップアウトしたら終わり。
タスキが渡らなければ終わり。
これがこの競技に緊張感とドラマを生み出してるんだと思う。 

で、そこに「一度は夢をあきらめながらも再度強い夢を持つ」清瀬灰二と
「まさに今夢をあきらめるしかない状況」の蔵原走(かける)が
出会ってストーリーは始まるんです。
この二人以外はほとんど素人のような仲間と共に。 

私、熱すぎるスポコン物って苦手なんですけど、こに出てくるメンバーは
「モテるかな」とか「就職活動に有利かな」なんていうところから参加している
仲間ばっかりなので(笑)いい感じに肩の力を抜いて読むことができました。
もちろん、後半になるに従って「スポコン」とは違うところで力入れて読んじゃうんですけど。 

しかもマンガのように皆キャラクターが立ってるんで、
普段小説読んでない人も読みやすいんじゃないかなぁ。
何より、柳楽くんのご指名が入っていた「走」。
やっぱり私好みのキャラですね~(笑)
言いたいことが上手く口にできない不器用な部分はほんと柳楽くんとかぶるかも。
(映像化したら、ぜひやって欲しいなぁ……とつぶやいてみたり)

 後半は当然ほとんど競技のシーンなんですけど、
この辺はやっぱり泣ける部分も多くて。
電車の中で読んだからかなり我慢したけど、
家で読んでたら相当大泣きだったと思います。 

去年の駅伝で、順天堂の4年生が途中で意識朦朧となってしまって、
ふらふらになりながらもなんとか最後の最後まで倒れずタスキをつないだっていう
シーンがあったんですけど、その選手がOBとして今年の駅伝のゴール場所に
駆けつけていて、無事自分のチームが優勝したのを見て泣いていたんですよね。
それを見て、私ももらい泣きしてしまって。
あの感覚を読んでる最中に何度も思い出しました。 

あのタスキは走る10人のものだけでもなく、
「来年走れるかもしれない」人達のものでもあるんですよね。

 だから、あの本の中のレース結果もすごく納得できたし感動できました。
 久々に爽やかな感動ができたなぁ。 

同じ陸上モノの「一瞬の風になれ」も気になるところです。
でもハードカバー3冊はつらい……。