柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

「風立ちぬ」感想

ものすごく久しぶりに使うカテゴリ(笑)
ネタバレなしです。

元々私はいわゆる「ジブリオタク」と言われる括りに入るタイプで、
ナウシカを小学生の時に見て衝撃を受けて以来、ラピュタ以外の宮崎駿作品を
すべて映画館で観ています(なぜラピュタだけ…と今でも悔やんでます。
中学だか高校だかでお金なかったんです^^;)。駿さんの本やインタビューも
もののけまでは割と追ってたんじゃないかなぁと思います。

でも、駿さんのよさはトトロまででほぼ出し尽くされていて、
後はジブリの社員の生活を守るためにひねり出してる感じがぬぐえず、
ただひたすらに「これが駿さんの最後の作品になるかもしれない」という
危機感で観に行っているのが正直なところでした。

なので、今回の観るモチベーションもそんなところだったのですが
観てみたら思った以上に泣けてしょうがなくて。
宮崎駿がこんなにも恋愛を描くのが上手いということを知りませんでした。
というか、70過ぎて大人の恋愛という新しい面を高いレベルで見せてくるなんて
底知れないと改めて震撼しました。

と、同時に。
実は私は宮崎作品で「on your mark」がかなり上位で好きな作品なんです
(この辺りがオタクっぽいマニアックさ・笑)。
on your markを観た時からずっとずっと「20代青年を主人公にしたちょっと恋愛も
からめた長編映画を観たい!」と思っていたので、その願いが叶った形です。
ちなみにon your mark画像検索を参考までにリンク

大人の恋愛モノになっているので、年齢が上であればあるほど
楽しめる映画のような気がします。実際劇場も1/3ぐらいは40代以上という
感じがしました。
(逆にあまりに年齢が上すぎると史実との違いや、堀越さんと堀さんのMIX具合が
気になってしまうかもしれませんが)

そして、飛行機映画のような触れこみになってますが、
飛行機は主人公の夢がたまたまそれだったというだけで
それほど飛行機自体がフィーチャーされたものではないので、
格好いい戦闘機の飛翔感だけを期待してもがっかりするかもしれません。
(でも飛行機の歴史を知っているとより楽しめるのも事実なのでここ
読むとなるほどーと思うかも。この間所さんの番組でもやってましたが)

むしろ、失敗をしながらも何かを第一線で頑張り続けている人、
大恋愛をしたことがある人など、何かに情熱を傾けた経験がある人が
ドハマリするんじゃないかなぁという気がします。

試写会の時点で、他の監督が大絶賛していたようですが
それはおそらく皆さん第一線で頑張っている方なので、
気持ちがシンクロしやすいというのもあるのだと思います。

噂の庵野さんの声、最初は気になりましたが号泣モードになってからは
忘れてました。瀧本美織ちゃんは安定の演技!でも素直さからくる安定さで
上手く演技しようと思ってない感じがきっと駿さんの琴線に触れたのでしょうね。

そしてそしてエンドロールに流れる「ひこうき雲」。
40年前の歌がこんなにもぴったりハマるなんて、そこにもぞっとするぐらいの
感動がありました。

と、絶賛だけだとオタクの盲目感想みたいですが、個人的にはここまで
素敵な大人の映画にするなら、もっと恋愛パートの比重を高めればよかったのに…という
思いはあります。

もう年齢的に厳しいのはわかっているのですが、観ると後もう1作と
思わずにいられません。
でも本当にもう数は限られているだろうな…。

追記
忘れてました。この映画を観る時、「許されざる者」の予告が流れました!
スクリーンで観ると、一層重厚感あって期待が高まります。