柳楽優弥ファンブログ「ジェットコースターにのって」

柳楽優弥くんズキ。2021年Works「浅草キッド」「太陽の子」「ターコイズの空の下で」「HOKUSAI」「二月の勝者」CM:JRA

[夜明け・柳楽優弥]是枝監督、西川監督、広瀬監督トーク付上映会

新宿ピカデリー行ってきました!

映画が終わった後のトークショーだったのでネタバレ全開。
よってネタバレしていないところだけTwitterにも載せましたが
こちらにも掲載し、ネタバレ部分は記事の下の方にまとめます。
よって話した順番通りではないことと、後半の質疑応答の内容もMIXしています。
しかもメモしてません!
なので言い回しや表現はニュアンスと思ってください。

個人的には分福自体に興味があるので、どれも面白かったのですが
柳楽くんのことだけ知りたいという方は太字部分を読んでいただければ…。

まずはネタバレなしバージョン。

▼分福は最初は1ルームの事務所で、「是枝監督のスタッフルーム」といった感じで
西川監督はそこでは仕事をしておらず自宅かファミレスで書いていたそう。
よって、第1期生の広瀬監督とは最初はほとんど接点がなかったそうな。

後に、それぞれ(西川監督、砂田監督)1つずつ部屋があるところに引っ越したと。

分福1期生を採用(というのも変ですが)するに辺り、最初に面談をしたそうですが
その際に広瀬監督の提出した作品(大学の卒業制作作品)のDVDが傷か何かで再生できず
「(作品を)観てないんだよ」と言ったら、「観てないんですか?」と
「観てもらったらわかるのに!」という顔をしたので、「すごい自信があるんだな」と
思って、後でちゃんと作品を観たら、よかったと。
撮影場所を丁寧に選んでいた、背景をないがしろにしてなかったのがよかった。

さらに、当時広瀬監督がアルバイトしていたテレビ制作会社の社長が面識だけはあり
その社長から「本当はうちで社員にしようとしてたが、どうしても映画を撮りたいと、
そちらを今度受けると言っているので、とりあえず面接だけで判断せず
見て欲しい」とわざわざ連絡くれたんだそう。
社長にそこまでさせる人ってどんな人だろうと思って興味持ったのも1つと。

また、その卒業作品がこどもの描写が凄くよかった一方で、
大人の描き方が足りてないなと思って、本人に自分の作品の良い点悪い点
はなんだと思う?って聞いたら、「大人をちゃんと描けなかった」と的確に上げていたので
すごいなと思ったと。

この辺が採用理由だそうです。
確か200人ぐらい受けて2名合格の狭き門だったと思うので選ばれた理由って何かなと
ずっと気になっていたので、なるほどなぁと。

ちなみに今日は分福スタッフもほぼ全員?来ていたようです。
(たまたま横を通りがかったスタッフらしき人の会話からw)

▼西川監督が「永い言い訳」で監督助手として広瀬さんをつけていた時
どう思っていたか
「いやぁ、混乱しましたね」と。10年以上フリーで監督という立場でやっていて
決定権は普通は監督にあるじゃないですか。それが監督の自分がOKと思っても
外から「こうした方がいいんじゃないですか」って言われて(会場笑)。
外からの視点もあった方が作品が豊かになると理解するまでは混乱しましたね。
でもそれ以上に、外から言わなければいけない彼女の方が大変だったと思います。

▼砂田監督の監督助手時代
是枝監督「全く遠慮せずハッキリ言うからね。ストレート」
西川監督「忖度一切なし!笑」
広瀬監督「でもそういうキャラクターが根付いていたんじゃないですか?」
是枝監督「いや、最初は雰囲気凍り付いてたよ」会場笑
是枝監督「はっきり言うからこっちもムッとしちゃうんだけど、
悔しいことに大体正解なんだよ。でも最初の頃は次の日の朝のバスで
『昨日のあのシーンなんですけど…』って言い出すの」
西川監督&広瀬監督「それはつらい笑」
是枝監督「もう撮り終わってるんだけど、でも確かに言う通りなんだよ。
『なんで昨日言ってくれないの?』って言って朝が始まるって言う。
でもその方がいいから結局撮り直したり」

すご!!!このふところの深さが是枝監督の深さだなぁ。

▼是枝監督が監督助手をつける理由。
脚本、演出、監督を全部自分でやるメリットもあるんだけれど、
ずっと一人でやっていると何が正解かわからなくなることがある。
そんな時に外から客観視して「おいおい(それは違うんじゃないですか)」
と言ってくれる存在がいた方が作品が絶対によくなる。

でも考えてみれば、一番最初にそれをやったのは「ディスタンス」で
西川に見せた時に色々言われたのが最初かもしれない、とのこと。

▼西川監督が柳楽くんは当時とだいぶ変わりましたかと是枝監督に質問。
当然「凄い変わった、成長した」と言うかと思いきや
(西川監督もそれを想定しての質問という感じでした)
「基本は変わってないよね。彼が持ってるものとか」と。
あー、そっちか!と、是枝監督は「変わってない方」を見てるんだと。
この予想外の回答はリアルに泣けました…。
「ただ最近は凄い演技を楽しんでるのがいいよね」と。

▼西川監督から広瀬監督へ質問
「俳優とはかなり話した?俳優さんのタイプによって違うよね」と。
柳楽さんとは話しましたけど、なんでもというよりは
主に翌日の大事なシーンを話してました。
薫さんはあまり話さないタイプなので、現場で進めることが多かったです」と。
是枝監督「薫さん、いいよねぇ…」としみじみ言ってました。
そのうち起用するかも笑。

▼是枝監督いわく、
「優弥は自分にとって特別な役者だから。身内みたいなもんだから。
冷静に観れないんだよね、この映画も。知ってる人が大きくなって出てる、みたいな笑」
と。
ある種自分の子どもみたいな感覚もあるんだろうなぁ。
紆余曲折も全部見守ってくれたし。
でもだからこそ、再タッグに躊躇するのもわかるんですよね…。
(こういうところですぐファン視点から制作側視点になりがちなんですが)
自分の子供を主演にして監督作品作るって難しいのと一緒で
そういう「近すぎるゆえの難しさ」ってある気がするんですよね。

▼是枝監督から広瀬監督への質問
「(編集した結果)いなくなった人はいない?」
「いないですね。いなくなりそうな人はいましたが(笑)いないです」
西川監督いわく「是枝監督はたまにいますよね(笑)」
是枝監督「たまにいなくなる人がでますね」
そうなんだw

▼是枝監督デビュー作品の「幻の光」を思い出すようなカメラだったが
ああいう撮り方をしたのはなぜか
「元々ドキュメンタリーを撮っているカメラマンだったので
その特性を生かしたかったのが一つ。」
(もう1つは忘れました…すみません)


では以下はネタバレ部分書きます~。
ラストについて思い切り振れてます。
まだ観てない方は観てからお読みください。






もうちょっと改行を。





ではここから。

▼是枝監督から広瀬監督へ質問
「子役の演出ってどうした?」
「是枝監督にならって口伝えでやったんですが、難しかったですね。
柳楽さんが子どもの扱いがうまかったので、ボールのシーンは全部その場で
お任せでできました
(見てても、ここは全部アドリブだろうなぁと思ってましたが、やはり!)

▼脚本について
是枝監督と西川監督に相当ダメ出しされたそうですが
西川監督に「シンイチの過去の回想シーンいれたら」と言われたのが響いて
どうしたら(回想シーンは描かずに)現在に過去を表せるかを凄く考えて脚本を書いた、
とのこと。
そこから広瀬監督が「是枝監督も回想シーンやったことないですよね」と。
是枝監督は回想シーンが好きではないらしく「奈々子の聞いてて思ったけど、
僕も現在のシーンで過去をどう浮かび上がらせるかを考えてますね」と。
ただし「回想シーン撮ったことはあるんだよね、実は」と。
『そして、父になる』で病院で新生児たくさん集めて大がかりに撮ったそうなのですが
「結果的に全部カットしました」とww

▼ロケ地を旭市にしたのは、山があり川があり海があるが、
そこそこ開けていて、国道沿いのパチンコ店があることという条件で
探した結果だそうです。意外と全部揃っているところはなかったそうで
パチンコ店が決め手かなと言ってました。意外!

▼光の住所を埼玉県新座市にした理由は?
特にはないです。東京を過ぎて、少し田舎の場所、というぐらいです。
(質問した方が新座市と知り)「しまった!すみません笑」と謝ってましたw

▼髪の毛の色を戻すシーンが割と長いのは意図的?
前髪を下ろしている時は幼く見えるんですが、髪を全部あげると
すごく凛々しい顔つきになるんですよね。あそこは凛々しいなぁと
惚れ惚れしました。あのシーンは自分に戻るという決意のシーンでもあるので
丁寧に撮りました」

▼ラスト木工所の音が聞こえるが監督としては主人公はどこへ行くと思っているか
「あの音はちょっといじわるして入れている。どっちともとれるように
観客に委ねたいと思っている。当初考えていたのは東京に戻る、というもの」
だそうです。
えー!びっくり!!
てっきり、木工所に戻る方で考えてた。
でもそうか。
本当の意味で「自分に戻ってやりなおす」なら、本来の場所に戻るのが正解か。
ただ、やっぱり自分が壊してしまったあの場については
やっぱりけじめをつけて欲しい気がするから、
一旦木工所に寄って、全部謝ってから戻る、がいいなぁ。

以上です。
メモがない中でひねり出したので、色々抜け落ちてますが
柳楽くんがらみは一応拾えたかな…。

いよいよ明日ですね!